ここで記述する外科的治療とは当院における「手術」もしくは「手術に準じる治療」という前提で進めています。
　
　この場合、大きく手技を分類すると「麻酔・鎮痛処置」と「外科処置」となります。

　「 外科処置」の場合にはその手技（切開・止血・縫合など）は基本的な方法論に大きな相違はないものと考えます。あるとすれば、対象動物の体の大きさの違いに因る繊細な操作、使用する外科器具の相違、または動物種ごとの解剖学の相違いになります。
　
　 「麻酔・鎮痛処置」についてですが、麻酔に関してわれわれの業界でこんな格言があります。　「安全な麻酔薬は存在しない、 安全な麻酔法も存在しない、 存在するのは安全な麻酔医だけである。」
　動物種により使用される麻酔薬の種類や投薬量、麻酔薬に対する個々の動物の反応は大きく異なってきます。そのことを理解するには麻酔機器を使いこなすと同時に数多くの麻酔管理の経験を積み重ねる事が必要となります。


　当院では内科的治療の場合と違いすべての外科的治療場合には動物種による区割りではなくすべての動物にたいして「麻酔担当」と「外科担当」と言う区割りで治療に当たっています。